2013/5/18

ビジネスモデルの再考

ま、どんだけほかってたか。。。書き溜めてはいたけど、あかんですね。
しかし季節は巡ります(泣)
やっと、普通の生活らしき状態に戻りつつあるので、更新しますね。



よく読者の方からメールを頂くことがあるのだが。。。
一月前のものです、返事は書きましたが、ま、あげても差し支えないと思うのであげますね。

「コラムの更新楽しみにしております。さて、少々質問させて下さい。太田さんはどのような方向というか、前提条件でというか、どのようなスタンスを書かれているのでしょうか。なにか、いろいろ自分の考え方とは違うというか。。。」

楽しみにしているというくだりはほとんど更新されていないのに完全にいやみだな。。。(ごめんなさい)とも思うけど(笑)、そんな内容も少なくないので、一応整理しておきましょうね。

太田は基本的に平準化して、効率よく できる限り専門化して同じものをたくさん作る(出店する)ということとは一線をおいています。つまり、チェーンオペレーション店的な経営(ナショナルプレーヤーを志向される方)の方を対象にものを言ったり、お仕事をしたりすることはほとんどありません。以前のコラムにたくさん書いてありますので読んで頂ければわかります。私は多店舗であっても人創りをベースに一店舗一店舗きちんと作る(できる限り昨年対比を落とさず少しずつ成長するお店作り)ことを志向しています。かといって多店舗化に反対している訳ではまったくありません。きちんとできるマネージャーと必要な顧客数が確保できれば、その分だけお店を増やせば良い訳ですから。。。できれば一店舗でも多くそんなお店、会社が増えればと思っています。だから業績を上げる事はそんなにむずかしい事ではないとも考えています。従って、太田は、一部の レジ屋さん、デザイナーさん、建築屋さん等々、店舗が増えないと自分の仕事が たちいかない 方々とは結構相性が悪いんです(笑)できる限り距離を置く様にはしています。。。

実はという言い方は適切ではないけれど、私はスローフード推奨人間です(笑)そこから派生したスローライフ推奨者です。美味しい物を食べよう とか ゆっくり食べよう。。。とかではなく 運動自体は社会運動ですから かなり奥が深くて哲学的です。そして、地元に根付く会社の経営を思考されている方には特にそうあるべきだと考えていますし、できる限りそんな生き方をしたいとも考えています。そこから派生した一般的には同じ意味に扱われる、物を買わせるがためのマーケティング用語である「ロハス」、「地産地消」、「トレーサビリティー」等の、、、信奉者ではありません。要は、消費を促すための、ものを買わせんがためのライフスタイルの提案(もしくはマーケティング)とかにはあまり興味はなくて、どんな社会(会社)を創っていくのかということを含めた「ソーシャルスタイル」の提案を真剣に考えています。経営を経済活動だけではなくできれば社会活動だと言う捉え方をしたいからです。今後の社会では間違えなく そんな考えで経営をしなければ、もはや、生き残りなど不可能だと考えているからでもあります。

そして、世の中の流れや、自分の周りに起こる様々なこと、スローフード運動等の活動や理念を学習する過程で思いついたのが、今コラムで書いている様々なメソッドや考え方(太田流に言えばthinking)です。流通も含めたグローバル化はもはや止められませんが、せめてこの流れにのって「うまく生きていこう うまく経営しよう」という人ばかりではなく、このままいったらヤバイと感じ「まともに生きていこう まともな経営しよう」という人は実は多くいると思います。そんな考え方に共感できる経営者の方のお手伝いをしたいと思っていますし、そんな仲間をたくさん創りたいと考えています。



さて、今日は一度ビジネスのモデル(ゲームを)再度考えてみようと思います。コラムでも以前まとめて書いたので、今更感はあるかもしれませんが読んでみて下さい。どこからビジネスを考えるのかというと、お客様の「来店動機」からです。

顧客の来店動機で①②③と3つのグループに分けます。(前回の3つの関係性による区分けにも通じますが)

①のグループは初めてお店に行ったときのことを思い出せばわかります。飲食店で言えば基本機能、美味しいと感じること。空間や、最低限のサービスも含めて。。。ですから、お店にいく理由が、値段にあった美味しさで、遅れずに商品がでてきて。。。等々。つまり お店に対するロイヤルティーや来店動機がへの基本機能への納得性である場合です。

②のグループは気の利いたサービスをと感じること。お店の中には「ここの人って、このお店の造りって 感じがいいな。。。」って感じることはありませんか?いわゆる空気感の事ですが、要望に応えてくれるのは当たり前のこととして、「自分がしてほしいことを事前に察知してしてもらえる」とうれしいものですよね。(本来サービスとはこう定義されることが望ましいのですけどね。)また、空間的に「食べる」ためだけではなく「過ごす」ための設え(しつらえ)があるとうれしいですよ。つまり お店へのロイヤルティー(忠誠心)や来店動機が気の利いた付加機能やサービスにある場合。

③はコミュニケーションがインタラクティブ(双方向)で、要望にしっかり応えてくれる。つまり、自分を お店が その他大勢ではなく「個」として認めてもらえていることを認識している場合、お店の誰かに言えばわがままが通ったりします。自分流の使い方ができます。つまり お店のロイヤルティーや来店動機が自分に対しての「個」別対応にある場合。

この3つの顧客をターゲットにした(顧客創りを目指した)お店のグループに分けて考えましょう。大きくどこに境界線があるかというと②と③の境目です。

①によれば、物的空間、サービスや基本機能の充足が来店動機になり得るし
③によれば、人的サービスや付加機能を超えた部分が来店動機になり得ます。

多くのチェーン店は③による顧客創りはしません。あまりに「個」に依存しすぎるからです。個に依存するとスピードや効率や質等がばらつきます。店舗というビジネスユニットを増やすことのビジネスモデルを志向していると無理が生じる場面に出くわします。通常は①~②を狙います。どこにでもお客様がいるからです。しかし、そこをターゲットにすると、自分のお店の来店動機を凌駕する他店に簡単にお客様は変わられます。ま、その場合スクラップして別の場所にお店を出したりします。スクラップ&ビルドと言ったりします。魚がいる池で釣りをしていて、結構釣れていたのに、他の釣り人がやってきて、自分よりうまく、多く釣り出したから他の池に移動するみたいな感じですね。

つまりこの辺りでビジネスの運び方、モデル、プラットフォームが見えてきますね。①②は誰がやってもできるように、どんなお客様でも対応できるように。。。(①より②の方が人的なレクチャー、教育は必要でですが。。。)つまり、知らない人が知らない人に物、サービスを売る。。。ことを前提にしていることがわかります。一般的に言えば、不特定多数のビジネスを志向するということでしょうが。。。

そうすると、①や②で必要なマニュアルが存在する前提条件もわかってきます。マニュアルに書かれているのはスタッフの振る舞いや行動の手順だったりしますが、それだけではマニュアルはなり立ちません。うまくできているマニュアルとそうでないマニュアルは明らかに違いがあります。それは

「お客様の予期行動による行動の平準化がされているか されていないのか。
またその平準化に伴うアクションがあるのか。ないのか。。。」

簡単に言えば、お客様がどういうように行動するか。。。がある程度予期されるからこそマニュアル運用がが可能になるからですね。そんな考えも持たずに、単に自分たちの動きのみをマニュアルに組み込んでも教え込んでも意味がないんです。

例えば、ファミレスに行って玄関を入ると何をします?実は立ち止まるんです。このことはすごく大切です。お客様が立ち止まるからこそ、デニーズでは「いらっしゃいませ、デニーズへようこそ。。。お客様何名様ですか?おタバコは。。。」という誰でもできる平準化されたグリーティング(挨拶)作業ができるんです。お客様勝手にどんどん中には入って座ったら???そういう受け答えはできませんね。。。またそうできるように、玄関エントランスは設計されているはずです。

このことを昔は「顧客教育」と言っていました。ある手順をとことんやり続けると、その作業に順応した(笑)お客様が出現します。そういうことです。

飲食店の場合、基本的な予期行動を10~12くらいに限定しています。つまり、お客様と接する機会がそのくらいあるということです。例えば、①駐車場に入り、②扉を開け、風除室を通り扉を開け、、、等。実は良くできたマニュアルは前提条件もしくは店舗の構造や様々な機器等はできる限りどのお客様でも同じような行動をとってもえるような様々な工夫がこらされているわけです。

しかしですね。。。スタッフなら誰でもできる、お客様もどなたでも来てほしい。。。つまり、両者とも貴方でなくてもいい。。。そんなゲームにどっぷりいると。。。お客様の方からから、

「貴方のお店でなくてもよい!!」

と言われて、客数がダウンする局面がくることがあります (笑)難しい言葉で言えば、代替え可能な(貴方でなくてもいい、他の人でもいい)マネジメントやマーケティングをすると、社会から会社ごと代替え可能なお店 会社だと認識されてしまいうことがあります。要は他店に浮気ではなく、本気で移動してしまうという事です。従って、売り抜く、売り切る為にスピードや効率が必要になるんですね。いつも、フローを考えないといけなくなる。

逆に③の顧客をターゲットにした場合、基本的には代替え不可能化を目指します。代替え不可能とは、貴方で(貴方のお店、会社)でなくてはだめ。。。と考えて頂ける顧客を如何に増やすかというゲームです。不特定多数を狙うのではなく、特定多数を狙うゲームです。ま、先ほどのほぼ逆だからわかりやすいですね。知っている人が、知っている人に売る。。。知っている人の最大化がポイントになります。偏ったコミュニケーションが発生する(知っている人に対して時間をかけること)ので、見た目は非常に効率が悪そうですが、オペレーション的にはチームでカバーをする。チーム中の個人に顧客がつくことをいとわない。識別できる顧客→「個客」や「ファン」を創ることがなにより一番大切にされます。

個別に対応することが大切ですから、ガイダンスはあったとしても、マニュアルは存在しないのがふつうです。作ってもほとんどが当てはまりませんし、意味がありません。立場での接客(お客様対お店の人)ではなくて主人が客人をもてなすような接客(人対人)が必要になります。ですから経験に基づいた知恵を積み上げるマネジメントが必要になります。つまり、どうしたら、顧客が喜んで頂けたとか。。。逆にクレームになったとか。。。という情報の共有が大切になるわけです。そして、予期行動は個人で変わるので、マニュアルにお客様の行動を制限するもしくは促すような振る舞い(お客様の行動を平準化するような働きかけ等)はしません。お客様は基本的にはお店の鏡ですから、最終的には自分たちの振る舞い通りのお客様しか来なくなります。お店の成長の鍵は各個人が知恵を蓄え成長をすることです。

経営的に考えれば、まず経営が失敗するかどうかは、キャッシュは当たり前のこととしても、「顧客数」で決まります。損益分岐点を超える顧客数つまり、「損益分岐顧客数」を確保していればつぶれません。割れば、そのうちキャッシュレスに追い込まれてつぶれます。経営を継続するという観点から見れば、③をターゲットに考えた方が大負けはしませんが安定します。しかし、スピード感や、店舗数が見る見るうちに増えて行くダイナミックさは感じないかもしれません。

どのターゲットを選ぶかはそれこそ経営者の時代の読みや、考え方だとは思います。別の見方をすると、何がしたいか。。。によって変わるということになりますね。(笑)



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Book.png太田のお勧め書籍

1:「日菓のしごと 京の和菓子帳杉山早陽子 内田美奈子著 青幻舎

以前お土産で頂いて。。。
「なんじゃこの和菓子は。。。」
と絶句したことが有りました。
それからずっと片思いです。

和菓子と向き合って7年だそうですが、杉山さん、内田さんという若い女性お二人が創りためた、
80点ほどの和菓子が載っています。ため息が出ます。

一度行きたいのだけど、まだ行けてない。
インタビューしたいのだけれど、段取り付けてない。。。

「日菓」

で検索すれば、ホームページもブログも有りますから、見てみて下さい。

和菓子は斜陽でしょか。。。かも知れない。
でもお二人は違います。
素晴らしい。画像も素晴らしいけど
姿勢が素晴らしい。

楽しく和菓子を創って来られた7年間のドキュメントみたいな感じですね。
写真ばかりですが(笑)

きっと、じゃ、ってんでお店増やそうか。。。などと考えておられるはずがない。
逆にお願いだから、増やさないで。。。って感じです。

京都に近頃よく行くのですが、
特に「おばんざい」を食べに行ったり、神社を巡ったり。。。

変わらないもの、変わっていくもの。。。
この絶妙な空気感が本当に好きです。

この微妙な感覚を感じて欲しいんです。





Book.png太田流仕事の仕方:サービス業の教科書
お客様は何故、貴方のお店に来られますか?来店動機ですね。
ご自身の戦略にあわせた ひと創り(スタッフ、顧客創り)かどうか。。。
ここを間違わなければ、きっと成長は続きます。
代替え可能化だけが(誰でもできる様にするだけが)お店の大切なことではないですよ。

個の成長と会社の成長について

前回こんなことを書きました。

・・・「個」の力が増大するとは、一人一人の社員さん、一人一人のお客様の力で、業績が左右する(種になると考えて良い)、してしまうと言うことです。ネガティブに聞こえましたか?ポジティブに言えば、その一人一人に焦点をあてた、マネジメントなりマーケティングが必要だと言うことです。・・・

ネガティブな面をよく気にされる方がよくおみえになります。
「人に顧客がついたら、その人が辞めたらどうするの??」
とか、
「誰でもできるようなことでなければやっては駄目!!」
とか。。。
申し訳ないが、太田的に言えばですよ、たかだか数十店舗そこいらのお店のボリュームで、誰でもできなきゃ、とか顧客を限定しては商売にならない。。。とか本当に良く聞くんですよ。。。時代錯誤も甚だしいだけどね。。。

会社の成長はある一つの側面から考えれば人の成長のことだと考えなければならないということです。もちろん社長、幹部も含めてですよ。皆さんはお店が今後 成長できるかどうかはどこで判断しますか?売上?利益??ま、いろいろな考え方が有りますよね。でも「一店舗ずつ丁寧に作っていこう」とすると、売上や利益だけで判断できることは、実はそんなに多くないんです。何故なら全て「過去」を表した数字だからです。(利益もです。利益についてはどう考えたらよいのか。。。利益をもたらして下さる顧客が増えた。。。と考えるのが正しい。)この話をしだすと非常に長くなるので省きます。(過去のコラムを読んでね)

ではどう考えるのか。。。成長の証は、人で計るんです。ひとつは顧客数、ひとつは働く人の成長ですよね。売上が今年あったとしても来年も同じようにあると言い切れるか。。。無理ですね。でも顧客が増えている、顧客を創れるスタッフが増えているなら、来年は売上が伸びるかもと予測は立つと。つまり、顧客と顧客を創ることができるスタッフがいれば成長できることになります。

実はこのことを理解してない経営者、店長の方が非常に多いのが現状です。全てお金に換算するのはわかりやすいですよね。。。結果を計る意味で です。が、成長 と考えると少し考え方を変えて欲しいんです。

現実の個客創りのことを少しお話ししましょう。まず顧客とは何か。。。「繰り返しお店、会社を利用して下さる状態にあるお客様」のことでしたね。ここで太田が言う「顧客」が増えたという顧客とは誰のことを指すのかです。それは、スタッフの皆さんが名前も顔も識別でき、しかもお客様も自分のことを知って頂いている。。。いわゆる「つーかーの仲」のお客様のことです。別の言い方をすると「距離感」が非常に近いお客様です。それを0〜5段階で振り分けて見た時、(0:お互いに知らない〜5:お互いによく知っている。我がままが言える)4か5のお客様のことです。この数字を「RI値(アールアイち)」と言います。またこの状態のお客様のことを「個客(お互いのことを識別でき、好みや特徴をよく理解している顧客)」とよび、この「個客」の数が増えているかどうかが大切です。

そして、3つのカテゴリーに分けてみましょう。

・カテゴリー①:RI値4〜5の顧客
・カテゴリー②:RI値4〜3の顧客
・カテゴリー③:RI値3〜0の顧客

そのカテゴリー①が大切だと言うことですよ。。店舗の運営上はどう考えるのか。。。②と③は実は実数としてはなかなか把握できません。店舗内に①が増えるとどうなるのか。。。スタッフの識別できるしかもカテゴリー①の個客が増え続けているとすると。。。当然増益になります。簡単な理屈です。何故この数字だけで良いのか。。。実は店舗内ではおおよそ(ナショナルチェーンは抜く)

①:②:③=1:2〜3:10〜12

程になっているのですが、①が増えるということは、②も増えていなければならず、②が増えるということは③が少しでも増えていなければおかしいからです。

前提条件があります。そうです。スタッフの仕事は何かという考え方のことです。ケーキ屋さんのスタッフの仕事は何でしょうか?

「ケーキを作ること」
「ケーキを売ること」

とほとんどの方は答えるでしょう。実は違います。ケーキ屋さんの仕事であれ、焼き肉屋さんであれ、セレクトショップであれ、サロンであれ、クリーニング屋さんであれ。。。「ファンを創ることが仕事」です。ケーキ屋さんであれば、「ケーキを作ること」「ケーキを売ること」を通して、お店を愛して下さるファンを創ること。。。としなければなりません。全員がファンを創ることを仕事にしなければなりません。その結果、カテゴリー①の数がどれくらい増えたかが一番大切です。スタッフの成長と考えれば、どれくらいカテゴリー①を増やすことができたか。。。個々を見なければなりません。

よく質問があります。製造やバックヤードにいる人の評価はどうするの?というものです。考え方は至ってシンプル。サービス業のほとんどはチームで動いています。ですから、飲食店で言えばホールのスタッフの方がわかりやすいと感じてしまうかもしれませんが、基本的にはチームで考えれば良いのです。チームの成長は?個人の成長ですから(笑)


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Book.png太田のお勧め書籍

1:「勝ち続ける経営:日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論」 原田泳幸著 朝日新聞出版社

2:「おいしいからうれるのではない 売れているのがおいしい料理だ」 正垣泰彦著 日経BP社

ナショナルプレーヤーの鏡のお二人、心から尊敬しています。
このお二人の経営哲学が垣間見られます。

原田さんの「社内に頭を使う(考える)人間は一人かふたりで良い。後は全員実行者だ!!」
ってのが、ナショナルプレーヤーの王道だ!!なんて読んでました。

正垣さんの「おいしいからうれるのではない 売れているのがおいしい料理だ」
も以前から仰っている、「隙があれば値下げする!!」「値下げが最大のサービス!!」
通じるところがある。

とにかく、考え方は違っても、ナショナルプレーヤーとしての鑑(かがみ)だと思いますよ。

私は書くことも、コンサルティングも1店舗ずつしっかり利益を出しながら創っていく
ローカルプレーヤーのためのコンサルティングが主ですが、
やっぱり学ぶことは沢山あるんです。

特に、これをやったら、ローカルプレーヤーはアウト!!とかね(笑)
土俵が違うから、無理してまねることはないです。
もちろん目指されている方は、ここまでやってこそ、チェーン店と言うんです。

私の文章と一緒に読むと、まるっきり逆だから面白いですよ。

お勧めです!!




Book.png太田流仕事の仕方:サービス業の教科書
会社の成長は二つで計ることが大切。働く人の成長&顧客数(個客数)です。
働く人の成長とは一言で言えば、顧客を如何に増やせるようになったか。。。でよいです。
増やせる様に以下にチームに関わったか。。。です。
個客数は単純に繰り返しご来店頂けるお客様の数を考えれば良いのです。

「一店舗でいいじゃない!」思考 その5:価値の最大化=個に焦点を当てる

以前書いた、ショップ2.0(今は3.0らしいけど)の中に、「個」の力の増大・・・という時代が来たぞ!!っていうことを書いたと思います。そのことと、少しかぶるんだけど・・・「1店舗でいいじゃない!」っていうお店の経営(ローカルプレーヤーの経営)は、チェーン店のそれとは全く違うってことは読者の方はきっと理解されていると思います。今日はそのことを書こうと思います。

 例えば、ローカルプレーヤーにとっての「効率が悪い方を取った方が、お客様の満足度は増す」と言うのがあるわけです・・・どのお客様も同じ対応をすれば、それは効率がよいし教えることも少なくてすみます。効率がよい・・・というのは、極端に言えば、誰に対しても同じ、誰がやっても同じ・・・このことを、「代替え可能化」と言ったり、「匿名化」と言ったり、「知らない人が、知らない人に・・・」と言ったりしてきました。これがうまくいく領域、ゲームもあればそうでないゲームもある。

 また、商品や、サービスを標準化、単純化、専門化すれば効率は良くなる・・・ま、3S原則ですが・・・どうしても、最後は働く側も、お客様の側も、お互いに「貴方でなくても良い」と言うことになってしまいます・・・それでも、やっていければいい・・・やっていけないんだよね・・・だから、ローカルプレーヤーの販売のコンセプトは「知っている人が、知っている人に売る」ということになる。

 「個」の力が増大するとは、一人一人の社員さん、一人一人のお客様の力で、業績が左右する(種になると考えて良い)、してしまうと言うことです。ネガティブに聞こえましたか?ポジティブに言えば、その一人一人に焦点をあてた、マネジメントなりマーケティングが必要だと言うことです。その方が業績が上がる・・・ま、時代に合っていると考えて良いと思います。

 別の見方をして見ます。クライアントであるハンバーグ専門店があります。昔の分析方法である、商品の出庫をABC分析にかけてみる。1位がチーズハンバーグ、2位が大根おろしのハンバーグ、3位が目玉焼きのせハンバーグ、オムレツのせハンバーグだった・・・これは何を意味するのか・・・結果、一番売れたという事でしかない。お客様の満足度を図る事はできるだろうか??実はできないんです。・・・この意味がわかっていない・・・物が幾つ売れたという事と、顧客の満足度が同じということが担保できる条件は、日本人全てが好みが同じという時です(笑)

 ありうると思いますか?ないでしょ?今時そんな考え方を持っているとすると、相当な時代錯誤でしょ・・・昔とは違います。外食する事自体が目的だった時代とは違います。ですから、出庫数が多いから強化する、少ないから外す・・・という方法は(べースがABC分析の方法)、私の会社の商品サービスをご利用になるお客様は、「のっぺらぼう」です。って言ってるのと変わりないです。

 このハンバーグ専門店に、ある店舗の女性マネージャーのお店がある。実はここの店舗2番目、か3番目に売れているのは、「アボカドのせハンバーグ」だったりする。他のお店はずっと下の順位でした。で。。。ここからが一番大切かも。一番昨年対比で伸びているお店が、この女性マネージャーのお店はだったりする。

 この会社のコンサルティングを(ま、社内研修だが。。。)始めた時そのお店は、実は一番問題店舗だったのだか、わずかな間に一番優秀な店舗に変わった。理由はいくつもあるんだが、話の流れで、商品に対するアクションの事を話そうと思う。このお店も、元は1位がチーズハンバーグ、2位が大根おろしのハンバーグ、3位が目玉焼きのせハンバーグ、オムレツのせハンバーグだった・・・しかし、個のお客様(「個客」と呼んでいるが)の満足度について焦点を当てる事になった。つまり、その人の好みのハンバーグを食べてもらおうというわけだ・・・

 勘のいい読者は、この辺りである疑問が湧くはず(笑)「そもそもお客様は好みのハンバーグををお金を払って食べているのでは無いのか??」ということだ。笑ってしまうが、ほとんどの場合そうではない。ではどんな、行動を取るのか。。。自分の胸に聞いてみるといい(笑)

 もちろん好んで選んでいる場合もある。が、多くの場合、「無難」な物をオーダーしている事が多いのではないか?つまり、「ま、いいか。。。これで。。。」だ。特に始めて行くお店の場合、メニューだけでは、想像できないものも多い。何しろ新規のオープンするお店は、「他のお店との違いをなんとかアピール」しようと必死だからね。そうすると、やっぱり、想像できる、無難なものをオーダーする傾向が強い。で、お店側は、「やっぱり、変わったものはでないね・・・普通のものしかでなな・・・」もしくは「ここは都会じゃないからな・・・」とかなんとか(笑)

 アボカドのハンバーグの件だ。。。なぜ、このハンバーグの出庫が高まったのか。。。そう、熱心に「オススメ」したスタッフと、「ハマッタ」お客様がいたからだ。つまり、以前より満足度が上がったお客様がいたからだ。この事に気づいて欲しいのだ。この事を、スタッフは、自分が「ハマッテイル」ハンバーグを「ススメ」、徹底的にお客様が「ハマル」ハンバーグが見つかるまでは、割引などの販促を繰り返し、一人でも多くの「ハマッ」って頂く「個客(何度も利用して頂く状態にあるし識別できる顧客の」を創ること。。。を営業のコンセプトにしている。

 このお店、それでもチーズハンバーグの出庫は高い野だが、目標として「チーズハンバーグ」の出庫を少しでも減らす(笑)ことが目標の一つになっている。理解できるだろうか?本文の始めに書いた・・・「効率が悪い方を取った方が、お客様の満足度は増す」ということの例ですよ。売れている商品をもっと伸ばす・・・一見正しいそうな方向性ではある。効率がいいからね・・・そう教科書には書いてあると思う。しかし、ローカルプレーヤーの現場は違うのだ。このチーズハンバーグの出庫が下がるということは、個客が「ハマッタ」ハンバーグが見つかったと解釈をする。顧客が増えたと判断する。

 当然、オペレーション上、前記の事がきちんとできている・・・事が前提条件ではあるけど。スタッフ一人一人、ホールスタッフなら、私は○○ハンバーグが好きです。。。と温度のある言葉で伝えられること。。。そして、キッチンスタッフならお客様の要望を叶えようと、メニューにないハンバーグであろうとキッチンは何度も作り直すことをいとわない。一人一人のお客様の満足を追求して行く姿勢はローカルプレーヤーとしての一つの形だと思います。したがって、この会社のお店出庫数は各店バラバラ、一緒だとすると、マネジメントがうまくいってないことになる。スタッフ一人一人のアクションが実際に業績にどうやって反映されるかは、出庫や顧客名簿でわかるようになっている。。。ということですね。

 ローカルプレーヤー3つのマネジメント原則
①立場を超えて、人として接する。(この会社の場合:お客様とスタッフという関係性を超え、親身に「ハマル」ハンバーグを探す)
②固有の強みを活かす(この会社の場合:個人の好きなハンバーグを特定し、積極的に「ススメ」る)
③自分で自分の評価ができる(この会社の場合:自分の「ススメ」たハンバーグの出庫数と、個客名簿の好みのところに自分の「ススメ」たハンバーグがデータベースにのる。

ま、②について何でそれが「強み」になるのかは、また話します。



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Book.png太田のお勧め書籍

1:「売れ続ける理由:一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法」:佐藤啓二 著 ダイヤモンド社

宮城のお客様に連れられて行ってきました。。。
秋保温泉にある「主婦の店 さいち」さんのお話しです。

おそらく、スーパーにもかかわらず(この言い方が適切かわからないが・・・)
地域の人口よりも多くのおはぎを製造し販売していると思います(笑)

ずいぶんと、繁盛してみえるローカルプレーヤーの会社、お店のリストができてきましたが、
そのなかでも、非常にわかりやすいので、紹介をしているお店(会社)です。

太田だけかも知れませんが、どこか「イタリア」的なお店の経営をしてみえるナー・・・
と確実に記憶に残るお店です。

行ったとしても、そんなに「何が???凄いの???」って思われる方がほとんどですが、
一度読んで頂くといいですね。

佐藤さんの常識は一般の経営者にとって結構非常識に見えたりするから・・・
でも、太田的には実に理にかなった経営をされていると思います。

今回のコラムと併せて読むとわかりやすいと思います。

お勧めです!!





Book.png太田流仕事の仕方:サービス業の教科書
「効率が悪い方を取った方が、お客様の満足度は増す」。。。
はっきり言えば、ほとんどの人が習ってきた、店舗管理の指数の逆をいけばいいです(笑)
お金がいくらの残るかを最大の関心事にすると、個客などできません。


「一店舗でいいじゃない!」思考 その4:人の成長を考える「近接性」というキーワード 

今日は人の成長をどう考えるかということについて尾半紙しようと思います。

先日、ある方々とお話していた時、

「俺も使おう!!」

って言われた事があったんです。
新鮮なことでも無いような気がするけど・・・
何度も、以前から言ってたつもりだけど、少し書いておきます。

「一店舗でいいじゃない!」思考の左隣に、

「for slow life」

と書いてあるんです。このことなんです。
スローフード運動から始まったスローライフの意味です。

近頃、太田は「地産地消」を進めている・・・
なんて周りに思ってる方がみえます。
見た目はね。
たしかに、「地産地消」はトレンドだと思います。
また、ビジネス的ににも、見た目に結構いい線行ってるクライアントも大勢みえます。
だから、目的が損なわれるんだろうと思う。
本質が違うんです。

一般的に「地産地消」を「消費者目線」で見ると
「lohas」に感じてしまうからです。

ウキペディアによれば

lohasとは Lifestyles Of Health And Sustainability
健康と持続可能性の(あるいはこれを重視する)ライフスタイルの略。
健康や環境問題に関心の高い人々のライフスタイルを
営利活動に結びつけるために生み出されたマーケティング用語である。

1998年にアメリカ合衆国で造語され、
日本では2004年頃からライフスタイルを表現する言葉として注目されたが、
現在は定義が曖昧なバズワードの一つとして扱われている。
定義の曖昧さを逆手に取りエコロジカルなイメージを
商品やビジネスに関連付けるために用いられることも少なくない。

また、日本では「健康と環境を志向するライフスタイル」と意訳され、
スローライフやエコに続いて広まった。
一般的には、健康や癒し・環境やエコに関連した商品やサービスを総称してロハスと呼び、
ロハス的な事・物に興味を持つ人をロハスピープルと呼ぶ。

とある。

特に日本では、どこで誰が作ったのか・・・とか、
「有機野菜」や、前出の「地産地消」などの考え方を大切にした。
特にエコに対する意識の高い人のライフスタイルとして考えられてると思う。
確かに今の時代、クールだと思われるしね。

そんな人を積極的に多く創ろうとしている・・・訳ではないだよ。太田は(笑)
そのことは副次的なことで、本質は違う。

スローライフの本質が大切なんです。
スローライフはスローフード運動から始まったりしているから
ワンセットで思われていることが多いけど、
もしくは拡大解釈されていることが多い。
また、どこかで「地産地消」がくっついてしまった。
また、ファーストフードの対立語だと思ってみえる人も多い。

そもそもスローフード運動とは何だったかを考えなきゃいけない。
もともと1980年代の半ばイタリアのピエモンテ州ブラって言う町から始まった運動で、
同じ頃、カナダではメディアリテラシー運動や、アメリカではアンチウォルマート運動も起こっている。
これ、何だったか、一言で言えば、アメリカ初のグローバル化に抗う運動だったんです。

グローバル化の弊害については、過去に何度も書いたから、過去のコラムを読んで欲しいんだけど。
ショップ経営にとってのグローバル化とは何かと言うと、実は経営スタイル変化を言うんです。

ショップ経営にとってのグローバルとは、日本の外に出て行くことだけじゃない。
本来知らない土地にも複数店舗を出すことを意味する・・・と考えた方が良い。

ま、廃藩置県以前の、「国」の概念の方に近いですよね(笑)
尾張の国から三河の国にお店を出す・・・ってなことです。

大きな意味でのグローバル化にさらされるというと、
我が国は資本主義(お金主義)である以上(笑)
資本のグローバル化にさらされることを指すんです。
従って、世界(日本以外)の資本が入り込んでくる。
ま、端的に言うと、
安い原材料、商品、賃金が安い人を使わないといけなくなるってことです。
チェーン経営のシステムもそれに準じます。

そして、大げさにどう変化するかというと、
知ってる人に知ってる人から仕入れたものを売る・・・
から
知らない人に、知らない人から仕入れたものを売る・・・
ということになります。

これが何を引き起こすのか、
絆の消失です。
働く意味が変わる。
知らない人から仕入れて、知らない人に売ることを続けると、
そこに、絆が無くなりますから、
はっきり言えば、いい加減になります。
最後、働く理由は「お金」だけになります。
働く喜びがお金だけになると、
人を思いやり、豊かな心を持って仕事をすることが幸せに思えなくなります。
これで、社会に貢献したといえるのか??

別にセンチメンタルになってる訳じゃ無いんですよ。

太田が、
「100人以上の顧客を覚えなさい。声をかけられるようにしなさい。」
「30人以上の顧客から名前を覚えてもらいなさい。」
他、いろいろ言っているけど、

これは本質的に何を意味するかです。
知ってる人にものやサービスを売ろうとすると、
半端なものを売れますか??
知ってる人から仕入れると、売る側は半端なことができますか?
(顧客のプロファイルが大切なのはそんなところからでしょ??)

良心をもった人間なら出来ないと思います。
そうするとどうなりますか?

お店のクオリティーを上げざるを得ないんです。
知っている顧客だからこそ、いい加減なことが出来なくなるんです。

このことを近接性の法則といいます。

これって最大の
「人創り」
の方法じゃないですか?

これがお互いに磨かれるという意味です。


顧客が何故お店から離れるのか・・・
それは、「なれて、飽きて、離れるんです。」
顧客との関係性が進化しないから離れるんです。

これを教育と称して、マニュアル化したところで、
人の心に訴えかけることなど出来やしない。
サービス業の本義である、人を創らなきゃいけないんです。

店舗を広げると陥る罠です。

「一店舗でいいじゃない!」
とは、「一店舗だけでいいじゃない!」
ということじゃないんです。
何十店舗あったとしても、
まるで一店舗だけ存在しているかのような運営をしなさい。
ということです。

もっと、その土地に根付きなさい。
働く人の近接性、関係性を創りあげなさい。
地元に組み込まれなさい。
地域に包摂されなさい。
「地元の資産」になりなさい。
そうすると、自然とお店のクオリティーは上がりますよ・・・
ということです。

太田がよく言う
「会社の社会化」
「お店の社会化」
につながるんです。
もっと大きな意味があるんだけど、
つまり、新たなコミュニティー創り、社会創りにつなげていくんだけど、
ま、ここでは止めておきます。

ですから、大きく言えば戦略だと思ってもらえれば良いんです。
太田がチェーンオペレーションのみが複数店舗のオペレーションでは無いと言うこと
はこのあたりの考えがあってのこと。

かといって、「儲かるから」そうするってやつもいるから・・・
どうしようも無いんだよな・・・
こことずっと戦ってきたつもりなんだけど・・・






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Book.png太田流仕事の仕方:サービス業の教科書
お店の目的は、「顧客の創造」 つまり「ファン創り」なんです。
そのファンとは、「働く人」と「顧客」です。
つまり、絆創りが大切なんです。お互いを思いやることが大切なんです。


「一店舗でいいじゃない!」思考 その3:店舗の成長モデル「ヤドカリモデル」

 今回は簡単な所からいきましょう。つまり、お店そのもの成長のさせ方のモデルのお話しです。

一番安全な業績の上げ方は、飲食店であれば 顧客数に応じて、席数を増やすことです。つまり、需要(来店したいと言うお客様の総数)>供給(実際に回転させる席数)の状態を創ることです。一番大切なのは、そこに(お店が有る地域に)「顧客」がいるという事実です。その「顧客数」は会社で言えば、一番大切な数字には表れない 資産です。小売業であっても 同じです。物ベースで考えると、損益分岐点顧客数という発想には至りませんね。サービス業であれば顧客、ファンを増やすことこそ、その本義であるし、顧客がいるということこそが、社会における存在理由になります。

 理想は、顧客のボリュームに応じた箱を創って行くのが良いという考え方です。それがヤドカリの成長に似ているから クライアントの方が勝手に(笑)いつのころころか

「太田のヤドカリモデル」

と言い出しました。ヤドカリは自分の体が大きくなって 貝殻があわなくなると 大きめの物にかえていきますよね?そのことをイメージしたんだと思います。

 顧客で満席になったら そこそこ成果があがれば 次のお店をって考えるのが普通ですよね…ではなくて、今なら、知らない地域へ出る前に、近くに席数がもっと取れる所に移転をしろ…ということです。そんな…と皆さん言われます。無理も無いです。何だか、もったいない気がするからです。

 複数店舗をお持ちの方なら ほとんどの方が経験が有るはずです。採算店と不採算店が出ることを・・・それを何故かと深く掘り下げないといけないんです。本来なら・・・立地の違いが、何故こうも売上の差が出るのかと・・・ま、店長 スタッフに寄るところが大半ですが(笑)それから、自分だけが商売してる訳じゃ無いですから・・・

 現実を考えて欲しいんです。今複数店経営をされている方…10店舗作ってみました。儲かっているお店は??もしも10店舗であるのなら、どんどんお続け下さい…と言います。しかし・・・それは業種 業態そのものが想定される地域に「今まで無かった」「他のお店とは違う」「このお店しか経験できない」と思って頂けるうちです。だから、そう言う時は(時代は・・・か)スピードが勝負(だった)。他がやってないのだから…陣地取りゲームになるわけですね。

 が、ほとんどがそんな 業種 業態が時代の流れと合う場合の方が少ないはずなんです。同じことを考えている方は大勢みえて、何しろ、情報は直ぐに手に入りますからね(笑)どこかで、ぶつかります。池に石を投げると波紋ができます。で、少し離れて2つ石を投げると 波紋がぶつかりますよね…そんな感じです。地方を想定されているかも見えるし、全国を想定されている方もみえるでしょう…

 また、その流れはいつか止まります。もしくは資金ショートしだします。そうすると、顧客のためではなく自社生き残りのために会社を運営することになります。ま、社会には必要のない状態になるということですね。こうならいいんですよ・・・顧客が望まれていることとずれているから、合わせるべく自分たちが変わって行こう…ならね。

 そもそも、ほとんどどこかで情報を仕入れて、この近辺では無いから、または 無いやり方だから・・・という理由・・・もしくはどこの地域でも流行っている業種 業態だから・・・で始められた方が一番多いと思います。いけないんじゃないんです。それでいいんです。が、自分が真似をしたことを忘れてしまって、上手くいったのは 自分は力があると過信してしまう。そこから、転げ落ちます。ほとんどが その当時流行った 業種 業態に乗っかっただけなので…

 ま、マーケティング的に言えば、先ず「鮮度」(「今まで無かった」「他のお店とは違う」「このお店しか経験できない」と思って頂けるうち)で動員をする。いずれ、どのみち後から似たようなものが出来てくる・・・速く マネジメント力を付けて仕組み(人創りの)ややり方で勝っていこう・・・で、その中で、顧客のニーズの変化に対応しながら 密着しながら自ら変化をしていこう・・・とうことになるんだけど、

 言いたいことは、ビジネスというのは そこに顧客が創造できているかどうか、ファンができているかどうかが一番大切で、(もちろん働く人 顧客の両方ですよ)だから、一気に面を押さえて行けるのは よっぽどまれなことなんです。まず、先に店舗数を増やしてその後考えよう・・・って本当に口にしていたコンサルたちを多く知っています。ま、その当時は良かったのかもね・・・今も同じことが言えるのか???やっぱり、業種業態によるでしょう???と言うこと。

 だから、まずは 地域を想定します。商圏と言い換えてもいいです。そのお店に来店動機を持ったお客様存在する(住んでいるとは限りませんが)地域のことですね。で、その中の顧客という資源を・・・言い換えれば、お店を愛してくださる 繰り返しお店を利用して下さる状態にあるお客様ですね、その顧客のポテンシャルを(お店で言えば総客数 売上 とかになると思うけど)極限まであげるにはどうしたら良いかを優先するんです。

 席が埋まらない・・・思ったように物が動かない・・・というのは、そもそも、その需給バランスがおかしいからです。ま、マーケティングそのものが上手く無い場合もありますけどね(知られてない・・・とか)その箱の大きさによる価値は無いと言うことです。流行ってるお店が有る・・・流行っていないお店がある・・・つまり、不採算店ですよ・・・出来れば、流行っているお店の席数を増やして(駐車場を潰してでも)不採算店はクローズするのが理想・・・いや、出来るはず。小売りで言えば増床に当たりますよね。

 本当はこのことを、ショップのリストラクチャリングの大本にしないといけないんだけどね。大概、お店を増やすよりは効率が良いはず。だって、需要(来店したいと言うお客様の総数)>供給(実際に回転させる席数)をコントロールしやすいですから・・・投資効率(投資対利益)の面からもかなり良いはず。

 今からでも遅く無いんだけどね・・・

 有る方が言っていた・・・

「太田君、隣に土地が有るところにお店をださんといかん・・・長屋でもいいんだ・・・隣が空いたら、空いていたら高くても借りとくといいよ・・・(買えればなお良い)」

 昔からの知恵は偉大だ・・・身にしみる・・・

 今日はここまで・・・






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Book.png太田のお勧め書籍

1:「ザッポスの奇跡」2009年:石坂しのぶ 著 東京図書出版 
2:「ザッポス伝説」2010年:トニー・シェイ 著 ダイヤモンド社 

副題がおもしろい・・・
1はアマゾンが屈したザッポスの新流通戦略とは
だし
2は顧客が熱狂するネット靴店 アマゾンを震撼させたサービスは如何に生まれたか

両方ともアマゾンを引き合いに出してる。
実質今はアマゾンが筆頭株主だと思う。しかし、経営の独立は確保されてるみたいですね。
トニー・シェイは、ザッポス・ドットコム のCEOです。

両方ともおもしろいんです。
靴は靴です(笑)でも、どうやって 価値を創造してきたのか・・・
ここを学ぶには、非常に良いです。

書評もググれば(グーグルで検索すれば)いっぱい出てきます。
今、読んで損はしない本ですね。

彼の人となりや如何に、ぎりぎりのところで生き残ってきたか・・・
なんて物語的なところは、それなりにおもしろいです。

でも、メインは「価値の創造」つまり、如何に「ファンを創ってきたか・・・」
(顧客、社員さんの両方ですよ。)そしてそのファンを如何につないでおくのか・・・
ここを読み込めば良いと思います。

私は、彼の考え方に共感をえます。好きですね。
特に、彼の(偉そうですが・・・)ハピネスのサイエンスはすごく好きです。
エンゲージメント(絆)を大切に考えているし、
自分が幸せになるのは、顧客、社員さんが幸せになるには・・・
彼のマーケティングの原点だし、きっと以降も変わらないでしょう。
この3方良しの発想が出来るからこそ、伸びたんでしょうね。
皮肉ですが、非常にかつての日本的な・・・を感じてしまいます。

おすすめですよ。






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太田の「ヤドカリモデル」とは何か・・・
需要(来店したいと言うお客様の総数)>供給(実際に回転させる席数)を徹底的に単店舗で実践することです。
価値を創るとは・・・そういうことが基本。


「1店舗でいいじゃない!」思考 その2:改めて新たな問題提起 


先ず・・・そもそもなんで、お店増やしたいんだろ??儲けたいから?上場したいから?…人それぞれだと思うんだけど、それでどうするの??何のため??って思ったことないですか?今、この時期特に思いませんか?

すごくモチベーションそがれるかもしれないな(笑)

もっとも、そりゃそうなるにこしたことはないと思いますよ。
また、そのチャンスがある方も大勢みえる。でもさ、現実考えてみてよ…全ての会社が、何百店舗に成るわけないよねえ。向こう三軒両隣、お店だらけになっちゃう(笑)

もちろん、前から言っている、ローカルなプレーヤーもリージョナルな、ナショナルなプレーヤーも絶対必要です。先ず、自社はそれに当たるのか、考えた方がいい。

ま、しかし・・・飲食店も含めて、ここ何数十年間見てきたけど、複数の店舗を出すのならバックボーン的なところは、年代別人口分布や、業種、業態の鮮度によるものの方が大きいことは事実。また、飲食業界は特にのライフサイクルに依存してしまうところが大きい。これは、変えられないマクロの部分。

過去の歴史なんかは、左側のコラムの倉庫を見て欲しいけどみんな成功すると思って、何店舗もお店を立ち上げるんだけど、すべてのお店が、規模が大きくなれるのか・・・ほとんどのお店はそうならない。途中で止まる。ミクロ的には、損益分岐点を超えられる顧客数が得られない。で、何十年か前はさ、いけいけどんどんで、拡大こそが、正しいのだ!と思って来たと思う。

まずは、時代がそうだったと認識すべき。それがライフサイクル。その時代なら そうかもしれなかった。でも、今もそうなのかな?店舗数が増えると、働く人の幸せ感が変わってくることは事実で、創業チームのそれとは異なっても仕方がない。マネジメントも変わらなきゃいけないしね。

人が豊かさを享受出来ないような会社って存在意義はあるんだろうか?これからの時代 特にね。小資本で、小さいお店を作った。運良く流行った。ヨシ!!もう一店舗!!ってやってきたわけ・・・で、すべてのお店がうまくいけばいい・・・ま、流れに乗って・・・でもそんな流れは今ないよ。そうじゃないから、いろんな問題がおこる。

やっかいなのは、実はそんなことすら当たり前のこと(自明性:慣れ親しみ)
として、考えていなかったと言うことが正しい。
つまり、変化しなければならないのに変化できない原因はここにある。


さてと・・・今後コラムで書いていきたいこと。
●今後の時代にショップの運営/経営で大切なことは何?
今後はそんなに爆発的に伸びるということがないかもしれない。。。
景気に左右されない用にするためにはどうしたら良いのか。
要は局面が変わったということを理解しなければならない。

●店舗の運営の考え方を変ないといけないこととは?
そもそも、考え方を変えるということはどういうことなのかを考えてみる。
今変化が大切な時期にあえて考えてみる。
グロス発想からネット発送へ転換する。
つまり、何店舗かで損益を考えるんじゃなくて一店舗ずつ如何に成長するのか を考えないといけない。
また、顧客の価値の最大化をテーマにしないと生き残れない。
需要と供給のバランスと太田流ヤドカリモデルとは?

●ショップで働くということを哲学する。
豊かさや幸せ感の最大化がテーマになる
経営者、会社が何を幸せとするのか。。。
これが最大のテーマになる。ま、plicelessの発想だね。

また総論で終わってしまった・・・





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Book.png太田のお勧め書籍

1:「経済は感情で動く」2008年:マッティオ・モッテルリーニ 著  
2:「世界は感情で動く」2009年:マッティオ・モッテルリーニ 著  

いかにも、イタリア人って名前だね(笑)
私より2つ上の47歳です。
関係ないけど・・・

ミラノ大学で科学哲学、ロンドン大学で経済学を修める・・・と
ま、超エリートさんですね。
「世界は感情で動く」は世界的にベストセラーになった本です。
私もそのときに知りました。

前回書いた、マイケル・サンデルで市民権を得た(笑)
トロッコの話は、この本にも出てくる。

ここに書かれていることの多くは、人間は如何に不合理で、理不尽な意志決定をするかが
面々と書かれている。

一時太田の中ではマーケティングのバイブル的な存在にもなり得た。
要は、人間の経済活動そのものは、理性によったり、理屈によって決定されることなど
ほとんどないと言うことが書かれてます。

そこから、太田は何をしたら、どんな伝え方をしたら、どう伝わったら、
消費に結びつくのか・・・お店を選んでもらえるのか・・・

今後、価値を創り出して行く上で相当なヒントになるはずです。

かなりおすすめの本ですね。






Book.png太田流仕事の仕方:サービス業の教科書
もはや、爆発的に経済環境がよくなるとは思えない。
ではそんなときに今までの考え方でよかったのか??
人や商品サービス、お店創り、そのものの根底を変えないといけない時期。
今自分が考えていることはほとんどが時代の変わり目に通用しないことを自覚すべき。




「一店舗でいいじゃない!」思考 その1 そもそもどんな考え方? 

なにを突然…と思うでしょうな(笑)
コンサルタントが、何を言い出すんだ…的な…うん、いっぱい言われましたよ(笑)

ショップ/飲食店 2.0的思考 を書いてたのに、なんで止めたのか…
正確には置いておいたんだけどね。

自分が書いていて…何か「それだけでいいのか??」って思いだしたんだよね。
もっとその前に、大切なことがあるんじゃないのかなってことです。

ショップを軸にした、コミュニティー化という考え方は、(「会社の社会化」「お店の社会化」)
は止めてませんよ(笑)
経済をどうやって回すかよりも、社会を回す(これもまだ抽象的だけど)の方が大事だろ
って真剣に考えてますよ。

で、相当悩みましたよ。ここ半年位…
で結論がでた…と言うか思いついた。

「1店舗でいいじゃないか!!何が悪いんだ??」
「もっとスローに行こうぜ!!」

ってことです。

でも勘違いして欲しくないんだけど、
私は一応コンサルタントの端くれですから、
お店、会社としての成長を止めろ!!ってなことを言い出すわけではないんですよ。

「拡大」(拡大至上主義:店舗数至上主義)だけではもうそろそろ、人を幸せにするかどうかわからないよ…
ってことを声高々に言いたいんだよな。今は声は小さいけど(笑)
結果「拡大」してしまうのは良い。
それより、

「1店舗ごと、きちんと成長させませんか?」

っていう提案と考え方の提示です。

要はさ、ショップ/飲食店の経営者の方々の経営思考モデルは、
「流行ったら(場合によっては流行らなくても)お店を増やす」
ですよ。何も疑わずにね(笑)

で、中途半端に店舗数だして、その後どうするの??
会社ごと売りますか?
で、得するのは誰?
やるなら、とことんやればいいのに。。。

ここ5、6年か、ご相談に来られる方で、
太田的には、大きくできるフォーマットでもないのに、店舗数拡大して、
広げた風呂敷どうしましょうか???
って。。。

は。。。またこれか。。。
と思ったりしてました。
ま、要はそれだけじゃないんじゃないの??ってことなんです。

どうも話が合わない経営者やマネージャーの方があまりに多いことに気づいてきたのがここ5年くらい。
でも、それが何故かはわからなかった。
何考えてるんだろ???と思ってました。
きっと、お互いにです(笑)
でも、クライアントの業績はこんな時でも非常に良いわけです。。。

きっかけは、
どうして地域に根づいた老舗のお店が存在しているのだろう…ってことを考えはじめてからです。
なぜ、お店を広げなかかったんだろ…

わかっていたこともありました。

老舗のマネジメントの基本は

「損益分岐顧客数」

だってことはね。
要は、サスティナブルに、未来にたいしての継続性が一番大切。
お店が、ずっと残って行く為の考え方と思っていいんだけど、

「損益分岐売上」

じゃないわけです。
顧客数。太田の読者なら、いつも出てくる、「アクティブな個客」数
が、何人にいれば損益分岐点を超えられるかという発想ですよ。

 *アクティブな個客
  繰り返し何度も利用して頂ける状態にある、識別できるお客様

で、調べ出したわけです…
ある、老舗和食店のオーナーの一言…


「お店と屏風は広げると倒れるものだ…」


頭ガツーンとやられたわけ。
10年前なら、
「貴方はそうなんですね」
なんて聞き流していたと思う。

でも、この時ばかりは心に響いた(笑)
単純なんだよ、太田は(笑)


チェーン店で働く人達が(オーナーや経営者以外)どうしても、幸せそうにみえなかったのに、
老舗で働く人には、どこか、プライドがある。

これって大切だと思うんだよね。

で、このあたりから、話を始めましょう。



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Book.png太田のお勧め書籍

1:ハーバード白熱教室「上」「下」:マイケル・サンデル 著 

これね…いいんだよ(笑)
読んで欲しい本です。

前著が

「これからの「正義」の話をしよう」-今を生き延びるための哲学-

って有名になった本だけど、
講義を収録したと言う形で、紹介した本の方が読みやすいと思う。


マイケル・サンデルはハーバードの政治哲学専門の教授
今すごくホットな人ですよね。
講義する姿もすごくかっこいいんだね。

NHKで番組として放送されたから知ってる方も大勢いると思う。
「正義」とは何かが書かれているんだけど、
その「正義」を「理念」とか、「利益」とか、
文中で出てくる「国家による強制」を「会社の命令」とか
置き換えてみると…

「う〜ん…」

とうならさせる。

儲かりゃいいのか?
全てお金で計算して(費用便益分析)功利主義的でいいのか??

太田にとって、彼が現代コミュ二タリアン(共同体主義者)ってのも納得がいく。

人間てのは、(働く人も、顧客も、経営者も)
実際に、何でも自由に振る舞えるわけじゃないし、
それぞれの文脈で振る舞いも決まる。

自分らしさと、属している会社、やコミュニティーのルールの関係性を
考えてみるには非常に頭がぐるぐるになる本です(笑)







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1店舗でいいじゃない…は今までとは違う、成長に対する考え方だと思ってもらえるといい。
お店を増やすことの意味を今一度考えてみよう。




     初夏の金山

私のオフィスは名古屋の金山の10階にあります。私はここから見える季節の移ろいが好きです。春には桜が満開に、夏にはそよ風わたる木陰が、秋には艶やかな紅葉が、冬には綿帽子をかぶった木々が…そんな金山の10階から見える様々な景色を、気が向いた時に(笑)コラムとして書いていこうと思います。

ブログは、10階上を見上げてみます(笑)コラムはある程度「かちっと」書いてますので、ブログは結構柔らかい??ことを書きます。近頃気になったことや、スローフードや、スローライフが気になっています。どちらかというと、そちらの角度から日頃を見てみようと思っています。コラム同様、だらだらと書きます。

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